今日は同じ4年生のお子さんの「運動会の思い出」のテーマで書いた作文を見比べてみようと思います。
以下、冒頭の一文だけ紹介します。
A君
「うんどう会のおもい出」
ぼくのうんどう会のおもい出は、たいこうリレーです。れんしゅうの時からはやく走れるようがんばりました。本番の時には、一位にはなれなかったけど、さいごまで走ることができてよかったと思いました。おうえんもがんばりました。ぼくは赤組だったので、赤組のおうえん団といっしょに大きな声でいっしょうけんめい声を出しておうえんしました。
B君
「運動会の思い出」
朝から僕は胸がドキドキしていた。今日は運動会だからだ。学校の運動場に赤組と白組が集まり、開会式が始まった。僕はきんちょうしながら今までの練習を思い出していた。僕は走るのがあまり得意ではなく、練習で一緒に走る人にはいつも負けていた。くやしくて家に帰ってからも走る練習を続け、とうとうその成果を出す日がやってきた。
こちらの2つの作文を見比べてみてどう感じましたでしょうか?
A君の作文は自分の感想を羅列しているだけですが、B君の作文は読んでいると風景が思い浮かびますし、ストーリーが存在していますね。
B君の作文を初めて見たときに、きっとこの子は小さい頃から読書や活字に触れて育ってきたのだなとすぐ分かりました。
小さい頃からの学習習慣や読書週間は学習指導要領にも頻出している思考力・判断力・表現力の主に「表現力」を伸ばすのに役立ちます。
これは大人になってから伸ばすことは難しく、いかに子どもの頃からの習慣が大切かわかります。
私自身も小学生の頃は作文や読書感想文が大の苦手でどちらかというとA君寄りの作文になってしまっていた記憶があります。
しかし、少しのコツをつかむだけで相手に伝わりやすい文章って書けてしまうんですよね。
新聞販売店ということもあり、新聞記事を用いて説明していきます。
小学校の出前授業で新聞記事の書き方について教えることがあるのですが、新聞記事って限られたスペースの中で読み手に伝わりやすい文章を書かなければいけないですよね。
それにはまず結論から書くことなんですね。
そこからその記事の詳細などの肉付けをしていくと、読み手にも伝わりやすくなります。
たとえば次のような質問をしたとします。
お腹が空いているみなさんが「夕ご飯何?」と家族の人に聞いたとします。
聞かれた人が「スーパーに行ったら野菜が特売で」と答えたら、皆さんはどう思いますか?
だからメニューはなに?と聞き返すでしょう。
皆さんが知りたいのは、夕飯がカレーなのか野菜炒めなのかオムライスなのかというメニューだからです。
まず知りたいことを聞いてからなんでそうなったのという順番で聞きたいでしょう。
また「今日の味付けは一味違うのよ」というお家の一言があったとしても聞きたい情報としては一番最後でよいでしょう。
次に事実と意見は別々に書くということです。
新聞を読むと「私は~」で始まる文章はほとんどありません。
インタビュー記事の中や外部の人に書いてもらった記事(コラム)、記者の体験レポートくらいです。
家に新聞がある人は確かめてみてください。
もちろん作文や感想文では感想は書いてもいいのですが、必ず事実とは別で感想や意見だけを書くようにしてみてくださいね。
もう一つ大事なことは、読んだ人が内容を知らなくてもその情景が思い浮かべられるように具体的に書くことです。
ではどうしたら分かりやすく書くことができるでしょうか?
文章にいつ・どこで・誰が・なにを・どうしたを入れて書くようにします。
いわゆる5W1Hというやつですね。
特に誰が、どうしたの部分は大切です。みなさんもこの部分に注意して文を書いてみるといいかもしれません。
最後に1つ1つの文章をできる限り短くすることです。
作文になれていない人は詳しく書くために、どうしても長々と書いてしまいがちですが、実はこれが逆効果なんです。
一文一文を短くまとめた方がスッキリして各段に見やすくなります。
長々と書いてしまいましたが、作文やまとめ文章を書くのが苦手なお子さんがいましたら参考にしていただけたらと思います。
学研大府教室では読解力だけでなくこのような表現力をつけさせる指導にも力を入れています。
今はまだ認可をとってはいないですが、近いうちに読解・作文コースも履修できるようにするのでお待ちください。
最後になりますが、国語や英語の学習では必ず音読する習慣を身につけてください。
黙読と音読では頭にインプットされる量が全然違います。
声に出すことで耳からも情報をインプットできるんですね。
また音読するということは必然的にアウトプットもしているので効果的です
騙されたと思ってやってみてください。
私は大学受験の際の英語で、当時の塾講師の方に言われるがままに実践し、着実に成績アップに繋がりました。